硯 箱 の 筆

筆の進むままに

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にゃんにゃんにゃんの日

もう過ぎましたorz

日付偽装するにもあまりにオーバーしたので

にゃんにゃんみゃーの日

押しで。
狐佐助で小話一つ折りたたみ!

日記を書く暇もなく寝ます。
だって明日・・・今日も早いんだもん(´;ω;`)
もう寝ないほうがいいんじゃないかって本気で思ってる。


おやすみなさゆきー!

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 足の短い子猫がテレビ画面の中を走る映像に、幸村は、可愛いな、と呟いた。
 もともと幸村は動物好きだが、中でも子猫は思わず相好が崩れるほどに可愛らしいと思っている。もちろんそれは子犬にも適用されるが。
「旦那ってねこすきだよね・・・」
「そうか?」
 犬も好きだぞ、と不満げに頬を膨らませている───ように見える───胡座の膝の中に収まって丸まっている佐助の額を指先で引っかくように撫でながら返事の言葉に付け足せば、尻尾の先がぴこりと跳ねる。
 その跳ね方がやっぱり不満げで、幸村は苦笑を隠せない。どうにも佐助は焼き餅焼きというか独占欲が強いというか、幸村が好きだの可愛いだの言うものに対して敏感だ。
「動物は何でも好きだし」
「しってる」
 とくに猫が好きなんだよねー、と続くのに溜め息をつく。どうにも根が深いようだ。
「可愛いじゃないか。・・・あ、転んだ」
「あー・・・」
 まだ足下のおぼつかない小ささの子猫が、仲間たちとじゃれて遊ぶのに熱中してフローリングの滑りの良さに止まることができずに壁にぶつかり転ぶ。またその姿が愛らしく可愛いものだから、観客席からはきゃーと歓声が上がった。
「やはりかわいいな!」
「・・・」
 それにもれることなく幸村の口からも歓声が上がる。小動物はただ動いているだけで保護欲を湧かせるものらしい。それを目を細めながら幸村とテレビを交互に凝視する佐助の気配が不穏なのだが幸村は気付かない。
 そのとき、にゃー、とか細い音を立て子猫が鳴いた。
 にゃーにゃにゃーん、と母猫か仲間を呼んでいるのか心細げに響く声に、一気に幸村の目元口元が緩んだ。
「だ、旦那・・・?」
「ん? なんだ?」
 返事はするものの、幸村の視線はテレビから離れなかった。正しくは子猫からだ。ゲストの女性が軽く抱き上げて頬ずりするのを少しばかりいいなと思って、今度ペットショップに行ってちょっとだけ触ってこようと決める。
「あ、あのあのあのさ、旦那?」
「ん? だからどうした、佐助?」
 したした、と幸村の胸の辺りを丸まっていたはずの佐助の前足が叩いた。焦ったような声なのに疑問を持って視線を向けかけたそのとき、またしてもにゃー、と鳴くテレビからの声に幸村の意識は持っていかれてしまう。
「あのにゃーという声が可愛いと思わんか?」
 あの声を聞くと構わずにいられない気持ちになる、とにゃーというよりはぴゃーとかみゃーという方が近い舌足らずな声に口元を緩めて呟く。猫好きに限らず、愛らしい子猫の姿や泣き声にめろめろにならない動物好きがこの世にいるだろうか。
 やはり動物は癒しだなぁ、とほとんど無意識に膝の上の毛並みを撫でようと手を動かせば、佐助は幸村の膝の上で後ろ足で立ち上がって鎖骨あたりに前足を置き、悲しげに表情を歪ませ幸村を見つめていた。
「・・・佐助、どうした?」
「うん、あの、えっとえっと・・・あのね?」
 むにむにたしたしと肉球が鎖骨に当たる感触が心地よく。
「えーと、えーと、ね?」
 ふわふわとした暖かな毛並みの背を飽きることなく撫で下ろして。
「そのー・・・、あの、さ」
「うん、聞いてやるから早く言え」
 悲しげというよりは困惑に近いうろたえた表情の中で、翡翠の瞳がきらきら光るのが綺麗だな、と眺めやり。
「に、」
「に?」
「にゃー・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・───ごめん、やっぱいまのなしー!」
 にゃー、と。見詰め合うこと数秒、人語を操る狐の口から漏れた”声”に幸村は目を見開いて驚くしかできない。
 しかしその沈黙をどう思ったのか、慌てて佐助が訂正し離れようとする動きで正気に戻る。
 ───なんだいまのおもしろいげんしょうは。
「・・・にゃー、って・・・」
「わー! いまのなし! 旦那のききまちがい!」
「しかし、」
「きのまよい! きのせい! きかなかったの!」
 ぺちぺちと前足が幸村の口を塞ごうと繰り出されるが、当たっても痛みをもたらさない程の力でしかないそれで防ぐことなどできるわけもなく、邪魔だとばかりに万歳の形に両手で拘束してしまう。
「お前、もしかして・・・」
「なんでもないったらー!」
 なおも抵抗して後ろ足まで動き出すのを制しながら、ずいと顔を近付けて視線を合わす。
 自然な潤いをまとったきれいな翡翠がしぱしぱとなされる瞬きで見え隠れするのに見惚れ。
「───やきもち、焼いたのか?」
「!?」
 ぼっ、と尻尾が倍ほどに膨らみ、手足が強く突っ張る。口が大きく開き、今にも叫びだしそうだ。
 顔色が変わったかどうかは毛皮でわからないが、がっちり絡んだ視線の先の瞳が潤みを増していき、けれど一滴もこぼさずぎゅうと固く瞑られた。
 ぷるぷる震えてじっとしている姿にじわじわと笑いの波が押し寄せる。今ここで笑ったら佐助はどれほど拗ねるだろうと思うのだが。
「・・・ぷっ」
 我慢ができなかった。
「!?───旦那のばかばか! も、はなしてよぉぉぉぉぉぉ!」
「いや、すまん。悪かった。笑うつもりはなかったのだが・・・ふっ・・・く」
「わらってんじゃん!」
 離せ離せと暴れる体を改めて抱きしめる。もがく体を強く抱きしめればさらに笑いが止まらなくなって、くすくす漏れる声をぺたりと伏せた耳に聞かせるように口元を寄せる。
「構ってほしかったのか?」
「ちがうもん! おれさまだってねこのこえはだせるって、しょうめいしたかっただけ!」
「佐助はやきもち焼きだな」
「や、やきもちじゃなくて、おれさまのたさいさを・・・!」
「どうせならだんにゃーと鳴けばいいのに」
「ぜっっっっっったいいわないぃぃぃ!」
 旦那のばかー、と暴れるのを押さえ込んで畳に転がる。諦めず暴れる体を撫でながら悪かった、と謝ればちらりと目を上げて少し大人しくなった。
「佐助、もう一回にゃーって言ってみろ」
「もういわないもん。旦那がいえばいいよ。かわいいから」
 完全に拗ねモードになってしまったのがおかしく、押し寄せる笑いの波を耐えながら喉の下や耳の下を掻くように撫でる。ここを撫でられるのが佐助は好きだと幸村は知っている。
「・・・やきもちなど焼かずともよいのに」
「ちがうっていってるじゃんー」
 撫でられる心地よさにうっとりと表情が解けていくのを見ながら、猫ならば喉を鳴らしているのだろうかと思う。

 ───やきもちを焼かれるのも楽しいものだ。
 
 にゃーと鳴かなくても喉を鳴らさなくてもお前が一番だ、と言ってやろうかと思ったが、こういうのも悪くない、とそれは告げないことにした。



にゃんにゃんにゃんの日。
狐佐助のけなげな努力です(苦笑)

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あんまり呟かないけど生存確認ぐらいにはなるはず。

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