硯 箱 の 筆

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今日は何の日

いい兄さんの日ではないことは確か。

でもまあ、気にせずに小話を上げてみる。
以下、年齢逆転で、いい兄さんの日小話。
苦手な方は開いちゃイヤン(*ノωノ)


しかし年齢逆転は突き詰めると面白いというか、真田主従的にありえないこといっぱい出るんで楽しいです^^
幸村はいいお兄ちゃんになれる素質はあると思うんですが、いかんせん、回りが幸村を甘やかしたいばっかりのやつらしかいないんで(伊達主従は違うか・・・?)その素質が伸ばされることはないと思うんだ・・・。

佐助も、最初は年下で幸村に構われてても甘えるわけじゃないし。
幸村の構い方は小さい子の好きな子いじめに共通する何かがあるような気がしてならないから、下手をすると佐助に嫌われちゃうよ、という危うさがww
で、そのうち佐助の方が大人びちゃって幸村を甘やかすと思います。

まああれです。
私は幸村がゴロゴロ甘えてる主従が好きなんですよ、はい。
どんなパラレルやったってそこに帰結。
バリエーション増やそうよ、私・・・! ←パロばかり書く気か、とww


とりあえず小話のみですが、楽しんでもらえますよーに!
佐幸なさいませ!

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くう、と軽い寝息を立てて眠っている主の姿に、佐助は大きく溜息をついた。

「まったくもう・・・」

なんて寝相の悪い、とその乱れきった寝姿に肩までがくりと落ちる。
布団からはみ出した右半身、かろうじて腹に乗っている掛け布団。枕は当然頭の下にあるはずもなく、いつからそこにあるのか部屋の隅の文机の前に座布団のように鎮座している。
はだけた襟から覗く浮いた鎖骨から喉にかけての肌に、虫に刺されたらしい赤い痕とそれを掻き毟ってできた傷が薄く血を滲ませているのに、とっくに仕舞い込んだ蚊帳をもう一度出すことと伸びている爪を切ることの算段を頭の中でつける。
そして盛大に暴れたのだろう白い敷き布団に広がる長い後ろ髪の乱れ具合に、体の下で絡まっているだろうことを想像して、それを解く手間を思えば少しばかりげんなりした。
もう少しだけでも寝相がよければ。せめて枕に頭が乗っている程度に、と毎朝祈るような気持ちでその姿を見て、けれど叶うことのない願いに溜息をつくのが習慣になってしまった。

「朝ですよ。起きてください」

布団の真横に座って、まずは声を掛ける。髪から覗く形いい耳を、福耳だな、と今日も思う。
佐助が主───幸村の世話役を勤めるようになったのは、里から真田に配属されたその日からだった。
初めての面通しの日に、それまで幸村の世話を任されていた者───幼い頃から幸村の世話をしていたじいやなのだが───の代わりに、と何の前触れもなくいきなり任じられたのだ。

「もう朝餉の膳がきてしまいます」

軽く肩に触れる。着物越しにもわかる力筋の張った肩だ。
十ほども年下の佐助に、兄とも思ってくれると嬉しいのだが、とはにかむ様に笑う顔が、可愛らしくもたかが下忍をも気に掛ける優しい方なのだと感銘を受け、けれどさすがにそうはできないことを申し訳なく思った初日。
じいやと、そう呼ばれるに足る年齢の前任者からその日のうちにあらゆることを引き継ぎ、いかにこの城の主が優しく気高く従するに足る人物かを物語のように語られて。
一角の武将として立つ幸村の世話を一身に任され、けれど幼い頃から自分の子のように接してきた青年の世話はまったく苦ではなかったと、佐助に仕事を引き継ぎながらほろりと溢した。
ただ、日々生い立つ主に老いた体がついてこなくなったのだと、切なく笑った。

「だんなー?」

触れた肩を軽く揺する。そこで初めて幸村の眉が動いた。
切なく笑いながら、それでも後任が決まったことに安堵し細やかなことを佐助に言いつけて城を去り、城下で子や孫と隠居生活を始めた前任者に、一心に勤めます、と誓ったものの。

「起きないんですかー?」

ふるりと瞼が震えたと同時に、逃げるように転がった。広い背中をこちらに向けて。
幸村は寝付きと寝起きがよくそれに困らされることはないから、と。むしろ障子の開く微かな音で目を覚ますことがある程だから、妙な時間に起こさぬよう気をつけるように、と言われていた。
(絶対嘘だ)
転がり寝汚く布団を掴むその姿に、米神に筋が浮くのがわかる。
夜の遅かった翌朝は昼まで寝かせても構わない、と言いつけられてもいるが、夕べの幸村は。
寝付けない、と騒ぎ、伽をしろ、と佐助に言いつけ。胡坐に組んだ膝に佐助を乗せて、まるで猫の子でも構うかのように、飽きて眠くなるまでその体を弄繰り回した。

「───自業自得の人間をいつまでも寝かせてやるほど俺さま優しくないんだよ!」

一瞬の走馬灯に蘇った直近の記憶に頭のどこかがぶつりと音を立てた。
立てたと同時にその布団を剥ぎ取っていた。
佐助はまだ十二になったばかりだが、立派に忍びだった。それも戦忍びである。
戦忍びは、人の手に慣れると”鈍る”。それゆえ分別がつくようになる頃から修行以外では人肌に触れぬように育てられる忍びだ。
それを、膝に乗せ撫で回し、擽ってあやして。
主相手に刃物は向けられぬと無意識に動く体を制して我慢した。着物越しでもその熱い手の熱は感じられて泣けると思った。
佐助からすれば、拷問にも等しい行為だった。
怒りのあまりに布団を剥ぐくらいはしてもお互い様だろうと思った。

「・・・さすけ、か・・・?」
「そうです。朝です。起きてください!」

主の体を跨ぐように仁王立ち、剥いだ布団を胸に抱えて上から冷たい眼差しで見下ろす。
けれど佐助のそんな不遜な態度に腹を立てるでなく、むしろ眩しいものでも見るかのように幸村が目を細めて。
ゆるりと手をあげ、ちょいちょいと手招き。
それに、なんですか、と返事をしながら、起き抜けで声が出にくいのだろうと佐助が膝を折って耳を寄せるのに。

「!? ん、ぎゃ!」
「まだ眠い。あと一刻ほど、寝かせよ」

幸村は、近寄ってきた体のその首と肩を掴んで抱き寄せ布団に転ばせると、足を絡めて身動きが取れないようにして抱きしめて、器用に布団を自分たちの上に掛けなおして眠りの体勢を取った。

「ちょ、っと! だんな・・・っ! 足、離してってば!」
「逃げるからだめだ」

ふわ、と耳横であくびの吐息とともに呟かれるのに、首を竦めて身を縮めるもそのくすぐったさが消えるはずもなく。
背中から抱き取られては腕で突っぱねることもできず、ジタバタと暴れてもその拘束が緩むことはなく。
(た、たすけて・・・っ!)
何が寝起きがいいだ、と人のいい笑みを浮かべたじいやの顔を思い浮かべ悪態をつく。
断言できる。幸村は寝汚い。寝起きがいいなんて、絶対信じない・・・っ!
何回こうやって布団に引き擦り込まれただろうか。体格差に物をいわせての力技でこられては佐助に抵抗の術はなく、幸村の目が覚めるまで身動き一つ出来ない。
そうして諦めて力を抜けば、自分がけして持たぬ熱の高さの心地よさに、釣られるように瞼が重くなるのが常だ。
(俺さま忍び失格だよ・・・)
とほ、と目尻を下げて溜息をつく。こんなものに慣れたら、戦忍びどころかただの忍びですらいられないかもしれない。

兄とも思ってほしい、と笑んだ顔が瞼の裏に浮かぶ。
そしてそれに感動した自分も思い出せば、あまりの恥ずかしさに怒りが湧いた。
(兄どころか赤ん坊じゃないか・・・!)
起こしても起きないし甘いものが好きだしすぐに拗ねるし自分勝手で我が侭で火傷するんじゃないかってぐらい熱が高くて───その気持ちよさに逆らえない。

「も、ホント、誰か助けて・・・!」

ぎゅうぎゅうと抱きしめられ、幸村の唇がまるで髪に口付けるように触れてくる仕草に心臓が跳ねる。
どうしよう、どうしよう、と幸村のせいで覚えた感情に頭の中を引っ掻き回されて顔が熱い。

「”兄”だなんて、思えるわけないだろ・・・っ」

首と腰に回された腕を剥がすべくもがきながら、佐助は真っ赤な顔で呟くしかなかった。





そうして四半刻後、膳を運んできた女中が身動きが取れずもがく佐助の姿に「仲がいいわね」と呟いてにこやかに去り、さらに四半刻後、様子伺いにきた家内の者は、唇に指を立てる幸村と視線を交わし忍び笑いをこぼして障子を閉めて。
ぬくもりに我慢できず佐助が幸村の着物に縋り眠る姿を、先に目を覚ました幸村が愛しげに眺めやり髪を梳いて遊ぶ姿は、まるで弟を可愛がる兄か親子のようだったと、はるか後に佐助の耳に入ることになる。





いい兄さんの日(11/23)に上げたかったです・・・。
昨日に仕上がるかと思ったけど、途中で保存間違って8割がた消えた悲しみ。
そこで気力が費えたんですが、意地で書いた。


ていうかさ。
これは幸佐じゃないか・・・?

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