硯 箱 の 筆

筆の進むままに

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狐佐助なんだけど

とりあえず書きあがったんで、日記にあげるー。

長くなったから直接サイトに、とも思ったんだけど、サイトは更新してもらったばかりなんでこっち。
延々とだらだら長いんですが、まあ・・・私の長いなんて程度が知れてます、つか、長文向いてないんで、眠いです、文章。

というわけで本日はこれのみ!
明日こそ、真面目に日記書く・・・!
とにかくこれから解放されたかったんだ、私orz

おやすみな佐幸!

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でれん、とか、でろん、とか、表現するならそういう音になるだろうな、とふわふわとした紅葉色の毛を縁側に射す日差しに晒しながら広がっている佐助の姿を見て幸村は思う。
ころころと姿勢を変えることもするから眠ってはいないようだが、真冬の猫でもそこまでしないだろうというぐらいに佐助は全身まんべんなく日差しを浴び、寝転がっていた。

「・・・気持ちよさそうだな」
「もう、さいこー。ごーるでんういーくのあいだもいいてんきだったけど、きょうはまたいいかんじ」
「ふぅん」

いい感じ、と言われたところで幸村に日差しの区別はつかない。
もう少し暑くなれば真夏の日差しに変わるからそこまで変化があればわかるかもしれないが、つい先日の日差しと今との何が違うというのだろうか。

そう問えば、これは獣の領分だからね、と細い目を更に細めて笑い、わからなくていいよと続ける。
どれほど人間臭くてもやはり動物なのだというのを見せ付けられたようで、それが幸村には気に食わない。

「動物の仕事みたいなものか」
「そうだねー。やっぱりからだはせいけつにしておかないと」
「日光浴で清潔になるのか?」
「しょうどくだよ~」

普段から佐助は毛繕いをまめにしていて、動物というにもそれらしい匂いなどまったくなく、むしろ外を動き回る分幸村の方が汗や埃で汚れて臭っているのではないかと思うほどだ。
今日も、日曜日とはいえ午前中はクラブで動き回ってきたから汗をかいている。夏ならば我慢できずに学校に備え付けてあるクラブ員用のシャワー室で軽く湯を浴びてくるのだが、それほどとも感じなかったから家で入ればいいと思って着替えることしかしていない。

「───佐助」
「なぁにー?」

呼べば振り向き、手で招けばとことことやってくるその体を、脇に手を入れてそっと抱き取る。
散々に陽を浴びた体は温かいを越えて熱いほどで、けれど干したての布団のようにふかふかとして気持ちいい。
毛に顔を埋め鼻を利かせてもそれこそ太陽の匂いという表現しかできないほど、獣の匂いはない。

「今日は暑いな」
「そうだね。ひざしもつよいし、かーてんしめないとたたみやけちゃうかな」
「・・・今から干しても乾きそうだな」
「これからせんたく? そりゃ、ゆうがたまでにはかわくだろうけど」

でも洗濯朝にしてたよね、と首を傾げる体を抱き取ったまま立ち上がり、しっかりと両腕で抱きしめて胸に埋める。
それへ、くるしいよ、どうしたの、と疑問を投げかけながらもスンスンと鼻を鳴らして嬉しそうに目を撓めるから、幸村もそれに笑い返しながらそのまま部屋を移動していく。
動物の表情にもちゃんとした喜怒哀楽があることを幸村が知ったのは佐助と知り合ってからだ。
それでも佐助の表情はほかの動物に比べても、格段に表情が豊かなのだけど。
そして移動する間にも、疑問に首を右に左にと動かしていた佐助がふいにそれを止める。それへ幸村が、あ、と思う間もなく、佐助が手や足、そして尻尾を振って暴れだした。

「いきなり暴れるな」
「なんかやなよかんがするんだもん! はなして!」

どれほど暴れても体が小さい上に爪を立てないでいれば逃げられるはずもなく、律義者はこれだから、と喉奥で笑って、抱きしめる力は弱めないまま幸村は足を速めた。移動距離は短いがなりふり構わず暴れるようになれば手入れの行き届いている毛皮をむしるようなことにならないとも限らない。

「はなしてー!」
「もう着いた」

カチャリと古い作りの家に似合わない金属質な音を立てて扉を開けて。
洗面所を兼ねた脱衣所に入り、佐助を下ろすことなく風呂場の扉を開く。

「きゃー! ころされるー!」
「・・・人聞きの悪い」

佐助の嫌な予感、は的中で、運ばれた先は風呂場だ。大して広くもない家だから抱かれて移動すればすぐに気付こうものだが、幸村が佐助を抱き上げて家の中を移動するのは珍しいことではないのでやすやすと佐助は運ばれてしまったのだ。

「い~~~や~~~~~~!!」
「今から洗っても乾くだろう? 久しぶりに一緒に風呂に入ろう」
「いや! ぜったいいや! おれさま、ぬれるのきらいってしってるくせに!」
「知ってるからこっそり連れてきたんだ」
「こっそりじゃないじゃない!」

きっちりと戸を閉めて鍵を掛け、さあ佐助をおろそうと腕の力を弱めれば、今度はしがみついて離れない。爪を立てずにしがみつけるのだからその握力やいかに、と思っても、やはりただ縋るだけの力では幸村の力には敵わず、佐助はあっさりと剥がされてしまった。

「いやだってば!!」
「これほど暑いとお前だって汗をかくだろう?」
「かいてないかかない、だいじょうぶ! おれさまのことはほうっておいて!」
「久しぶりに洗わせろ」
「き、───!」

きゃあ、と佐助の子供のような声が叫ぶ前に。
ぬるめの温度に設定されたシャワーの湯が佐助の頭に降り注ぎ、その口を閉めさせる。
湯がかかった瞬間、佐助の尻尾がぼっと膨らみ耳が立ったが、勢いのある湯の前にそれもしおしおと萎んでいく。
そしてまるで石像にでもなったかのように動かない。
シャワーをフックに引っ掛け、佐助の背中に当たるように調節し、石像化しているその隙にと、幸村も服を脱ぎだす。暖かい日だからと着ているのは薄手のシャツとジーンズだけで濡れても大したことはないが、どうせ風呂に入るのだから、洗濯物を増やす必要はない。
ドアを開け、隙間から脱衣場に投げ出す間も視線は佐助に当てたまま動かさない。以前、この隙をついて逃げられたことがあるからだ。
改めてドアを閉め、鍵を掛ける。ノブ自体も佐助には回せない形だが、念を入れておくに越したことはない。何と言っても佐助は普通の狐ではないのだ。
そうして湯船に湯を張るためにシャワーを止めカランを開き、準備万端整った、と佐助の背を見る位置に置いてあるプラスチックの風呂椅子に座る。

「耳はちゃんと伏せておかないと、水が入るかもしれないぞ」
「・・・・・・」
「シャンプー、そろそろ買わないとなくなってきたな」
「・・・・・・・・・」
「お前の毛は長いから、洗うのも一苦労だ」
「・・・・・・・・・・・・」

シャンプーをたっぷりとかけ、両手でわしわしと肩から前足、背中を洗っていき、合間に指先で頭の天辺を洗う。その間も幸村は佐助に話しかけるが、佐助の口は一文字に閉じられたまま開かれる様子はない。
さああとは腹と後ろ足と尻尾、と一つ息を吐き座った形に固まっている体を持ち上げる。いつもふわふわしてる毛が濡れてぺたりと体に沿い、普段とはまるで違う細い貧弱とも言えそうな姿なのが笑いを誘って、それを誤魔化すために返事がないのを承知で言葉を綴る。

「佐助はやっぱり細いな」
「・・・おれさまひょうじゅんさいず」

向かい合う形に置いて呟けば、不満そうに薄目を開けた佐助が珍しくも反論してくるのにやはり笑ってしまう。

「旦那」
「なんだ」
「・・・なんではだかなの」
「風呂だからだが?」
「せめてこしにたおるのいちまいでもまきなよ!」
「巻いてどうする?」
「・・・・・・・・・旦那・・・はじらいとか、えんりょとか、・・・うっ・・・おれさまそだてかたまちがったの?」
「お前に育てられた覚えはないぞ。バカを言ってないでほら、立て」

置けばそのまま座り込んでしまうのを後ろ足で立たせ、膝に前足を掛けさせて仰向きの首から腹を洗っていく。
佐助の体の中で一番毛深いこの辺りは、濡れていても手が埋まるほどに長い。それを掻き分けるようにして洗っていけば、その地肌の桃色の中に濃く赤い模様が見える。

「いつも思うが、この痣はなんだ」
「・・・・・・ないしょ」

乾いている時は長い毛に邪魔されてよく見えないが、濡れた時にどうにか見えるようになるその赤い模様は、繋げていけば縦に長い楕円にいくつか先の分かれた火の玉の形をしているように幸村には見える。
怪我や傷跡ではないのは、隆起のない滑らかな様子やいつ見てもあるという事実に、可能性から消した。

「教えてくれてもいいだろう」
「だめだもん。おしえないもん」

ふいふいと頭を振って嫌がるのも毎回のことなので深くは追求せずにおく。なんのかんのいって話したがりのこの狐のことだから、いつか機会があれば教えてくれるだろう。

「綺麗だし、毛を刈ればよく見えるぞ?」
「おそろしいこといわないで!」

ふと思いついて呟けばぎゅうと前足が突っ張って指を剥がそうとする。これからの季節、長くて暑くて鬱陶しいだろうに、切るか、という問いにはいつも本気で嫌がるのだから面倒くさい。
くっ付かれる───接触面積は減るとはいえ暑いと言いながら寄ってくるのだ───こちらの身にもなれ、と内心で毒づいて、けれど離れられれば寂しい気もするから幸村はそれを佐助に言ったことはない。

「もう少しで終わるから、大人しくしてろ」
「だったらみょうなこといわないの!」

ほんとにもう、と濡れた尻尾を振り前足で膝を叩く仕草は濡れてみすぼらしくとも可愛らしい。
早く洗いあげていつものふかふかした毛で同じ仕草をさせようと、腹の毛を洗う手に力を込め少しずつ下に向かっていき、佐助がオスであるという象徴のモノを洗うべくむずと掴めば。

「ぎゃ、ん! どこさわってんの!?」
「どこもなにも、チ・・・───」
「きゃ───!!」

びしぃっ、と。その小さな前足の肉球が幸村の頬を打ち口を塞ぐために伸ばされ。両前足で唇を塞がれるのに幸村は一瞬黙り、すぅっと目を眇めて空いた片手でその足を剥がす。幸村が怒っているのに気付いているだろうに、それでも佐助は急所を握られているせいもあってふんふんと鼻息を立てながら引く様子もない。

「・・・佐助。本当にお前は毎回往生際が───・・・」
「旦那こそ、おれさまいつでもそこはあらわなくていいって、いってるでしょ!?」

ていうか、洗わせてあげてるのもサービスなんだよ、と幸村から取り戻した前足で急所を握る手をぴしぴしと叩きながら腰を逃がし文句を言い出す。その行動に主従のなんのと毎日口に出すくせに、佐助にはその心得のようなものは備わっていない、と幸村は思い、けれどそれは横に置いて握ったものを離すものかと更に力を込める。

「旦那ぁ。はなしてぇ」
「洗ってからな」

握る手に力を入れれば涙声に弱まり、泡塗れに濡れていてもその緑の瞳が見てわかるほどに潤んでいく。けれどそれは気にせず握ったものを上下に擦り洗えば、あ、とかい、とか一音の声を上げどんどんと腰を引いて逃げていくから。

「よ、っこい、っと」
「!? いいぃぃぃぃいっぃぃぃ、やああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

泡で滑ってしまう前にと、風呂椅子から下り胡坐を組んでその膝の上に腹を見せる形に佐助を寝かせた。
───が、力が緩んだ隙に逃げられ風呂場の扉に一番近い隅っこで泡塗れのまま丸まってしくしく泣き出した。

「佐助?」
「もうでる~~~~~だしてぇぇぇぇぇぇぇ」

旦那のバカ、意地悪、と合間に文句を言いながら出せ出せと声だけ騒ぎ、けれど顔は幸村の方を向かずに見せないようにしているのに、いつもの嘘泣きではなく本気で泣かせたかと焦る。

「佐助、泡を流さないと出せないぞ」
「やだ」
「もう触らないから、上からシャワーを掛けるだけさせろ」
「・・・・・・ほんと?」

ちろり、と緑の瞳が細く細くなって幸村を見る。じっと見つめるその表情の、恨みがまし気というか、疑わし気さがいっそ笑えて、幸村は慌てて口を手で覆った。

「だーんーなー?」
「あー・・・んん、俺は嘘は言わない」
「・・・それは、まぁねぇ・・・」

だからほら、と幸村がシャワーのノズルを握りぬるい湯を出して佐助を手招く。
それを見て丸まった形からいつもの座る姿勢に戻り、少し考えるような素振りをしてから腰を引き気味に幸村に近寄る。
その怯えているとも取れる姿に、幸村もさすがに本気で申し訳ないと思った。少しからかってやろうと思う気持ちがあったのは確かだが、怯えさせるほどするつもりではなかったのに。

「・・・流すぞ」
「そっとしてよね!」

ちょこりと目の前に背を見せて座り───背を見せてくれるのだから、幸村の言葉を信じたのだろう───耳に水が入らぬよう伏せるのに、首から背にかけてシャワーの湯をゆっくり掛けてやる。
一度濡れてしまえば平気になるのか湯をかけても狼狽えることなく座っており、泡塗れだった体から泡が取り除かれていつもの毛色がはっきりと見えるようになる。
綺麗な紅葉色だ、と目前に現れた鮮やかとしか言えない毛色に幸村は目を細める。図に乗るとわかっているから絶対に言ってやらないと決めているが、幸村は初めて佐助と会ったときからこの毛色が気に入っていた。
秋の色に染まる椛の色とも夜に移る前の夕焼けの色とも夜の終わりの朝焼けの色とも見える不思議な赤。それに合わせた緑の瞳も新緑の緑、翡翠の翠と例えるに迷うほどだ。
他の狐を知るわけではないからもしかするとこれが普通なのかもしれないが、しかしもしこれが狐の標準色なら今頃毛皮のために狩られて絶滅しているに違いないと確信する。
(───佐助の毛皮で襟巻きなりコートなり作ったら高く売れそうだ・・・)
言えばきっと佐助は泣くな、と懸命にも幸村はその言葉を飲み込んだ。

「佐助、終わったから湯船に入れ」
「・・・ええ~~~~~~~~~」

嫌がられないように気をつけて泡を流して綺麗になった佐助に幸村が言えば、耳も尻尾も垂らし眉尻も下げたまましぶしぶと湯船を覗き込む。
湯船の縁は佐助が立ち上がっても前足を引っかけ爪先立ちにならないと覗き込めないほどに高さがあって、全身から”入りたくない”というオーラのようなものを醸し出している雰囲気と相まってどうしようもなく可愛らしく、同時に可笑しくもあって幸村は毎回笑いを堪えるのに苦労する。
今回もその笑いを佐助を洗って泡の付いた体をシャワーで流すことでごまかし、嫌々覗き込んでいる姿を眺めつつ手早く自身を洗う。
うっかり切るタイミングを逃した一房長い後ろ髪を洗うこと以外には特に手を取られるわけではないから、全身を洗っても大して時間はかからない。

「入るぞ」
「ぅや~ん・・・」

佐助なりの精一杯で低く鳴き、幸村に背から腋を持ち上げられるのに手足を丸め尻尾も腹側に回して縮こまるという抵抗にもならない抵抗をし、湯船で伸びた姿勢で肩まで湯に浸かる幸村の腹に乗る形で佐助も湯に浸からされ向かい合って息を吐いた。

「のぼせる・・・」
「まだ入ったばかりだろう」

心なしかぐったりしたような姿に呆れの息を吐いて幸村が手を離せば、沈むー、と叫びながら首に縋り足が暴れくすぐってくる。
結局佐助はほぼ全身を幸村の肩に乗り上げる形に落ち着き、尻尾の先だけが湯に浸かる状態になった。

「本当に佐助は水気に弱いな」
「ふ~ん、だ」

毛が濡れたら乾くの大変なんだからね、と尻尾で水を跳ねさせて幸村の顔を濡らし、仕返し、と笑う。

「洗ってやったのに」
「あらわせてあげたの!」
「乾かしてもやるぞ?」
「旦那、どらいやーへただからいや」

でも拭くのはさせたげる、と鼻先を幸村の耳元に摺り寄せ佐助が言うのに、幸村は笑って。
ひとしきり湯を掛け合ってじゃれ遊び、佐助を肩に乗せたまま幸村が湯から上がる。しかし扉をくぐる前に佐助は肩から降り、幸村に扉を閉めさせ体を振って水気を飛ばした。

「一度や二度では乾かないだろう」
「じゅっかいやったってかわかないよ」

タイミングを見て扉を開いた幸村がタオルを用意して待ち構えているところに、佐助も躊躇わず近寄りタオルに包まれて抱き上げられる。ここで拭きあげてもいいのだがいつもこうやって居間まで戻り、そこで幸村は佐助の長い毛が陽を浴びてきらきら光るのを見ながら手入れするのを好んだ。
そしていつものように陽を浴びながらタオルで拭きあげて。ブラシではなく手櫛で毛を梳いてやれば満足気な息を吐く佐助を、幸村はおもむろに仰向けに転ばせる。

「・・・かんがえてたんだけど」
「なんだ」
「なんでいきなりおふろ?」

転ばされることに驚くでなく大人しく転ばされたままの姿勢で佐助が問うのに、幸村がその隣に腕枕で添うように横になって。
少し考え込むように視線を泳がせ、数回口を開いて閉じてとしてから空いている手で佐助の腹を撫で、喉をくすぐってから口を開く。

「・・・お前があんまり気持ちよさそうだから・・・一緒に昼寝したくなったんだ」
「ええ~~~。それで、なんでおふろ?」
「動物のお前より自分が臭いことに耐えられなかった」

くだらんと笑え、と言えば、笑わないけど、と返して。
そしてよいしょ、と声を上げ幸村の方を向くように佐助が横になり、ふんふんと鼻をひくつかせながら幸村の胸元に近寄る。体のどこかが触れるでなく近く添うのに、ゆるりと互いの表情が緩むのがわかる。

「旦那、いいにおい」
「・・・わざわざ嗅ぐな」
「んふふ~。あのね、おれさま、旦那のひるねのばんをしてあげるね」
「そんなこと気にしなくていいから、お前も寝ろ」

体を起こして幸村の喉元から顎に向けて一舐めした佐助が言うのに、幸村の手がその頭を押さえ込んでもう一度転がして。

「俺は、お前と昼寝がしたいんだ」
「・・・・・・」

だから、とぎゅうと胸元に抱き寄せ、珍しくも幸村から佐助の耳元に唇を寄せながらそう言うのに、佐助は返事をすることもできず固まって。
ただ、嬉しくて仕方ないと表すように尻尾だけが畳の上を滑るようにして激しく振られる。

「あ、あのね、旦那!」
「・・・なんだ・・・」
「おれさまね、旦那のこと、だいすきだからね!」
「そうか・・・」

腹這いに転がった佐助の体の背に手を這わせ、幸村が数度撫でる。しかしもう半分眠ってしまっているのか手はそのまま背に留まり、言葉もよく聞き取れなくなる。
もう眠ってしまった幸村の顔を見上げ、佐助はこの世の春とでもいうような気持ちを顔中いっぱいに出しにまにまとするしかない。
自分と寝たい、それって最上級に気を許してるって事で、信用してくれてるって事で、好きって事だよね、と暴れだしたいほどに佐助は興奮している。

「ああもう! なんでおれさまきつねなの!」

眠ってる隙に、と緩く開いたままの唇を長い舌で舐めその呼気も味わって。
これ以上ない幸福な気持ちで、佐助は幸村の胸に鼻を寄せ浅い眠りに入った。





───そして幸村が目覚めて。
風呂上りでさっぱりしたはずの自分の顔が、なぜかベタベタしている理由と原因に気付いて、自分と同じに目覚めた佐助の頭に拳を一つ落として二人の昼寝は終わった。





狐と一緒に昼寝がしたいなーと思って書き始めた話。
どれぐらい時間が掛かってるかというと、冒頭でGWという文字がね、あるわけですよ・・・orz

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