硯 箱 の 筆

筆の進むままに

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海老のしっぽ

海老の袋詰め放題380円に釣られて詰めてきました。

たぶん380円分以上は詰められたと思うけど、海老のしっぽで指を切りました。
あの三角形のところ、とんがってて痛いー!

佐助が料理をしても、こんなドンくさい怪我はしないような気がするけども、横で手伝おうと手を出した幸村はしそうな気がします。
そう、台所で海老の皮をむいているというシュチュで、佐助に纏わり付く幸村が手伝わせろーと大騒ぎ。

「海老のしっぽに気を付けてねー」
「うむ! ・・・しかし海老のしっぽでそんな怪我などせぬのではないか?」
「舐めて掛かると切るよー? 海老のしっぽって固いから」
「・・・そうか?」
「そうだよ? 俺様だって昔は切ってたんだから」
「佐助が!? 信じられぬな・・・」
「俺だって最初から何でも出来るわけじゃないんです・・・」
「しかし佐助ほど器用なものが海老ごときに・・・いたっ!」
「ほら切った! あ~もう、見せて。・・・うん、舐めとけば治る治る」
(と言って切ったと思しき指をパクリと)
「・・・佐助もこのように切っていたのだな・・・」
「───そこでシミジミしないでちょーだい」

そして台所から幸村は退場です。
危ないから立ち入り禁止。
大人しくそこでカフェオレ飲んでなさい、って感じでしょうか。
指は改めて消毒して絆創膏貼って治療。
ブーたれつつカウンター越しに作業を眺める幸村と、ドサクサで指舐められてラッキー(?)な佐助でした。

いや、違うだろう。
海老は危険だと言う話です。  ←それも違う。 拍手する拍手する

白い紙に墨一色で描かれた人物像の紙の群れに、弁丸は眉を顰める。
必死になって描いたが、どうにも絵は苦手だと何度も挑戦した末での作品群だ。

「・・・これが一番似てる・・・でござるか?」

太い眉と大きな口と。
弁丸様は大きな目がとても綺麗だよ、と優しい忍びが言っていたから、目もちょっと大きく描いてみたが。
女中から借りた手鏡に自分の顔を映し、しげしげと見比べて。
へのへのもへじよりはマシだろうと、それでもお世辞にも上手とはいえない姿絵に一つ大きく溜息をついて、弁丸はそれを折らぬようにそっと丸めた。

自分の忍びであるはずの佐助が、戦だと言って父に初めて借り出されたのは六年も前になる。
その時は、まだ未熟な若い忍びである佐助に実戦を経験させ鍛えるためのものだからと、泣いて引き止める弁丸を父は叱り、佐助はごめんねとたくさん謝って、抱いてあやして宥めてくれて、寝付いたところで夜のうちに静かに出て行ってしまった。

翌朝に何度呼んでも佐助が現れないのに癇癪を起こし、頭が痛くなるほど泣いて。
半月も過ぎてから帰ってきた佐助を出迎えたときも泣き喚いて詰った。
なのに大小たくさんの怪我を体に刻んだ佐助が、自分を見て笑ってくれて。
只今帰りました、と飛びつくように縋った自分に疲れた声で言うのに、何故だか涙が溢れて止まらなくてぎゅうぎゅう縋って泣いて泣いて。

「俺、弁丸様の笑った顔が見たいなぁ」

ねえ、笑って? 優しく強請られるまで、自分は笑ってやることが出来なかった。
だから。



「今夜にはもう出るのか?」

数日前から屋敷に住まう忍びたちの様子が慌しく、自分に隠れてではあるが戦の準備をしているようだった。
自分は確かにこの屋敷の主ではあるが、忍び軍の主は父・昌幸である。
戦になれば忍びたちを使うのはよくあることで、まだ佐助の口から行くとは聞いていないが、父が忍び軍を率いて行くというならば、佐助も当然頭数に入っているだろうと弁丸は思っている。

まだ自分は元服も済ませておらず、当然戦には行けない。
その間に佐助は両の手で足りない程の回数、戦に行った。
それを憎たらしくも悔しくも羨ましくも思うが、もう自分も泣いて引き止めることなどしない程度には大人に近くなった。

それでも佐助はいつもギリギリまで弁丸に出立の報告をしない。
だからまだ昼の明るいうちの、呼べばすぐに来てくれる間に問うた。

「知ってたの?」
「皆が出陣の用意をしていたから、なんとなくでござるが」
「そっか。───うん、明日早くには出るよ。今晩報告に行こうと思ってたんだけど」

少し申し訳なさそうな、肩の荷を降ろしたような声が答える。
庭で修練に励む弁丸の姿を、定位置の木の上から眺めていたのを軽い動作で降り目の前に跪く。
まだ今はいつもの軽装で、とても今夜に発つようには見えない。

「今夜から暫く、大旦那様について戦場に行ってきます」
「うむ。気を付けて行ってまいれよ」
「・・・できるだけ、心がけます」

怪我をするな、無茶をするな、生きて帰って来いと言うと返事がないので、掛ける言葉も無難に収める。
本当なら耳の奥の奥にまでこびり付くほどに帰還の言葉を刻んで生還を約束させたいのに。
死に急ぐわけではないけども、確約できない事柄を『約束』という形で残したがらない佐助にはやっぱり腹が立つ。

振るっていた槍を縁に立てかけて、汚れた足もそのままに部屋に上がる。
文机の上に丸めてあった紙を手に取り、一度広げて中を確認してから戻れば、縁の側で佐助が渋い顔をして立っていた。

「足拭いてから上がってくださいよ」
「たいして歩いておらぬでござろう」
「たった一歩でも汚すことには違いないでしょ」

俺がいない間ぐらいは女中さんに迷惑掛けないようにしてください、といつものように説教をしながら、修練を始めれば準備する盥と手拭いを足元に用意して、さっさと座れと手が動く。
それに黙って従いながら縁に腰掛けて。
慣れた手つきで足を拭き上げていくのを眺める。

「暫くは自分で足も拭かねばな」
「だからどうして女中さんに頼まないの」
「佐助以外に触られるのは、なんとなくいやでござる」
「・・・そーゆー我侭言わないの」

暗に、だから生きて帰って来いと含んだつもりだが、わかっているのかいないのか、かわされた気がする。
同じように戦地に立つことが出来れば、どれもこれも解決するような気がするのに。
自分にはそこに行くまでにまだ数年掛かるのだ。

「佐助の頑固者」
「あのさぁ、そういう脈絡のわからない苦情はやめて欲しいんだけど」
「佐助にはいくら言っても足りない気がするでござる」
「ああ、そ。・・・俺様も嫌われたもんだねぇ」
「嫌ってなどおらぬ」
「知ってるよ」

佐助との会話は、繋がっているようで繋がっていない。
こういう会話をするときは何かをはぐらかしたい時だと自分はもう知っているのだけれど。
何を言った所で自分の望む言葉をくれないのだから、空しい会話はもうしないほうがいいだろうと、手に持つ紙を差し出して。
首を傾げながらもそれを受け取り、広げて見る佐助のその顔は、こっけいの一言だった。

「・・・これ、もしかして、弁丸様?」
「もしかしてとはなんでござるか。一生懸命描いたのに」
「いや・・・うん、特徴はあるよ、似てると思う」

でも肖像画なんてどうするのと、元のように丸めて返してくるのを、受け取らぬままに胸に押し付けるようにして、佐助の懐に押し込んだ。

───これは、佐助のために描いた、自分の笑顔の肖像だ。

「佐助が、戦場で某の顔を、笑顔を見たいと思ったときに見られるようにと描いたのだが、あまりうまく描けなんだ。今度の戦も佐助が帰ってきたときに笑って出迎えることが出来ればよいが、今まで出来た試しがないからせめてヘタなりに絵姿でもあればマシだろうと思ったのでござる」
「・・・・・・・・・」

一気に吐露した心情に返事はなかったが、無理矢理押し込んだせいで皺のよった紙を懐から取り出し、しげしげと眺めている。
正直なところ、本当に出来のいいものではないからあまり見られたいとは思わないが、戦地から帰って来るたびに笑ってくださいと自分の笑顔を強請るほどに荒んでいる佐助の心を思えば、似ていなくても自分の絵姿の一つや二つ、持たせてやりたいと手が動いてしまったのだ。

「弁丸様、絵、お好きでしたっけ?」
「まったくもって苦手な上、好きではないでござる」

だから出来の良し悪しは聞きたくないぞと言えば、褒めてあげようと思ったのにと悪戯な笑顔が返ってきて。

「つまりこれを戦場に持っていけと」
「そうでござる。お守りにちょうどいい・・・と思う」
自信はないが。

「う~ん、懐に入れるにも大きいから折らないとダメなんだけど」
「折るのも切るのも好きにすればよいでござるよ」
「そう? じゃあ、遠慮なく小さくして持って歩かせてもらおう」

と、言ってにやりと笑って。

「向こうで笑いが欲しくなったら眺めさせてもらうね」
「・・・!? なんだとっ!」

その顔のまま紙を小さく畳んで懐に仕舞い、おお怖いーと声だけ残して、足元にあったはずの盥ごとその姿は掻き消えた。

「どうして素直に受け取らぬのだ、バカ忍び!」
こちらの苦労も知らないで! と言ったところで、既にいない者には聞こえるはずもなく。
結局そのまま夕餉まで姿を現さず、その頃にはなんだかうやむやになってしまっていて、いつもと同じように時間を過ごした。



そしていつもならば起こしに来るかこちらが呼ぶかの朝が来るはずが、昨夜に発つと言っていた通り、もう呼べど叫べど現れなかった。
代わりに枕元に一枚、ひらりと天上から落ちてきた様子のままにある紙を拾う。

それには見事な狐の絵が、佐助の髪色と同じ朱墨の赤で描かれていた。
滑らかで迷いのない、ただ一本の線であるのにかかわらず今にも動き出しそうな躍動感のある絵だった。
ご丁寧なことに、その狐の顔には佐助と同じ迷彩が顔料を使ったのか緑で描かれていて、振り返るような仕草のその顔も、どこか悪戯っぽい、佐助の表情によく似ていた。

「まこと、佐助は器用でござる」

多分昨日の絵のお返しなのだろうと思うが、こうまで見事に描かれては羨む気にもなれなくて、いっそ始めから佐助に自分を描かせればよかったと、自分の書いた絵を思い出して少しばかり佐助を恨めしく思った。





微妙に尻切れた気がする・・・っ

んーと、今日は「恋人の日」なんだそうです。
ブラジルの行事らしいんですけど、この日に恋人同士が写真を交換するとか。
(現代でやればいいものを、わざわざ戦国でやってみた)
二月のバレンタインから六月の恋人の日まで毎月なにか行事があるらしいです。
「バレンタインデー」→「ホワイトデー」→「オレンジデー」→「メイストームデー」→「恋人の日」
一度この波に乗って全部クリアしてみたいですね。

ちなみに今回は弁丸様は12~13歳ぐらいで。
この頃だと源二郎なのかなぁと思ったけど、その辺りがよくわからないので弁丸のままです。

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