硯 箱 の 筆

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ぎりぎり一個

捨て切れなかった未練を一つ(苦笑)

主従で柏餅。未満。

もう日記に書き散らしてるのは色々細かいのは取っ払ってますので、おかしいところ満載ですがぬるく見守ってください・・・ 拍手する拍手する

夜駆けで斥候の仕事から帰ってきて、朝も早くから上田城の働き者たちがさわさわ騒がしく立ち働く音を耳に聞きながら、その一員になるべく厨に顔を出せば、その中央に配置される調理台の上には背負い籠が三つ、どんどんどんと存在を主張していた。

なんじゃこりゃ。
と、思わず口から出るのを意志の力を総動員して口をつぐむ。
しかし。

「どうしたの、この大量の柏の葉」
「もちろん柏餅に使う葉でござる」

まるで当たり前に家人たちに混じる主を叱咤したい気持ちを抑えて一応疑問系で問うた言葉には、思った通りというかあまりに当然の答えが返ってきて、ああそうですか、とそっけない返事しかできなかった。

「朝から山に入って皆で取ってきたのだ。もうかなり毟られた後だったから、小助たちに上のほうに登ってもらって取ったでござるよ」

どうだすごいだろう!と胸を張っているのに脱力する。
ああそうあんたは朝から主という身分を捨てて家人に混じって山に行って柏の葉を毟るべく木に登ったわけですね。
そしてそれをあいつらは止めなかったわけね、と自分の姿を見た瞬間するりと消えた面子を思い浮かべる。

(小助と六六と鎌之助と。まあ小助は巻き込まれたんだろうけど)
自分が留守の間はしっかりと後を見てくれる小助だから、きっと止めようと頑張ったものの止めきれなかったというところだろうか。
それでも途中まで手を出したなら最後までつき合わせてやろうじゃないの、と今からこの大量の葉に見合う量の餅粉をこねる算段を頭でして、厨頭と視線で会話して。

「全部の葉は使えないだろうから、ちょっと葉っぱも掃除しようか。つーことで、旦那は部屋に戻って朝飯食っちゃってください」
「む?某も手伝いに入ってもよいでござろう?」
「だぁめ。城主様は大人しく部屋で待機してなさい」

正直、邪魔でしかない。
年の割以上に落ち着きのないこの人がちょろちょろすると気が散って仕方ない。
現に今、外から通いで来ている賄い婦達はどうしたものかと隅に固まり、成り行きを見守っている状態である。
それに加え、ここには包丁もあれば火の気もある。
面白がって手を出されて怪我でもさせれば誰かが腹を切る、という騒ぎになりかねないのだ(実際はそうなることなどありえないが)

「餅ぐらい捏ねられるでござるよ?」
「ただ捏ねるだけじゃないの。コツもあれば秘伝もあるから生半な人が手伝いに入っても役に立たないから」
「ならばその秘伝を!」
「秘伝ってのは、秘密裏に伝わるから秘伝って言うんだよ。ここの仕事に関係ないあんたが覚えるもんじゃありません」
「佐助とて忍びなのだから関係ないでござろう」
「・・・それ、本気で言ってんの・・・?」
「う、いや、・・・スマン」

忍びである佐助がここに入り浸る羽目になっている原因のほぼすべてが幸村だ。
正しくは、この真田家に仕える忍びの半数以上が順番に厨に入り主の食事を作る作業の一端を担っている。
始めはそれなりの危険を危惧してのものだったが、長くいるうちに馴染んでしまったのだ。
その筆頭が佐助で、厨頭として勤めてもいいと言われるほどの腕前と皆勤歴を持っている。
もちろん、即断ったのだけど。

「わかったんだったら早く行く。あそこで膳を持ってる子が可哀相でしょ。柏餅も出来たらちゃんと持っていくから、大人しくしてて」
「・・・あいわかった。大人しくしているでござる・・・」

しょんぼりと肩を落とすのを心を鬼にして見送る。
ここで甘やかしては躾にならない。
厨は城主がほいほい遊びに入っていい場所ではないのだ。

(俺様ガマン・・・っ)
本当に色々我慢だ。
甘やかしたいのを我慢して、仮にも主に意見するというありえない僭越に地に潜って儚くなりたい気持ちを我慢して、どう考えたって忍びの仕事じゃないのにけっこう楽しんでしまう情けなさに膝が崩れるのを我慢して。

(泣き伏すのも寝る時間までガマン・・・)
忍びは涙を見せてはならないのだ。

そして幸村のいなくなった厨にいつもの喧騒が戻る。
各々が自分の仕事に取り掛かるのに、佐助も混じろうと足を踏み出すその横に厨頭がやってきて背をポンと軽く叩いて。

「佐助さんがいてくれて助かりましたわ。もう朝から皆でどうやって幸村様を諦めさせようかと思案しておりましたの」
「あ~・・・それはホント、ごめん。旦那もわがままで言ってるんじゃないんだけど」
「ええ、もちろんそれは。でもここには刃物もございますし、その、幸村様の器用さではちょっとこちらも不安で・・・」
「・・・気を使わせちゃって、どうも・・・」

涙が出そうな心配りだ。
もう四十を越えた彼女からすれば、幸村など子か孫かという扱いなのだろう。
城主としての線引きもしてはいるが、どうしても甘くなるし、どうあろうと主である。
頭ごなしに怒るわけにもいかない。

「とりあえずこれで心置きなく取り掛かることが出来ますわ。佐助さんも頭数に入っているのですけど」
「もちろん扱き使ってくださいよ」
後で逃げた四人も呼びますので。

それは助かりますと上品に笑ってみせるのに佐助も笑み返して、とにかく葉っぱの掃除からと、うんざりした顔を隠すことなく一つ籠を背負った。



ん。子供の日、準備編。
主従でやってみました。

Comment

久しぶりだよ!! 

やーんもう、ちょっと元気にしてたの!?
日記が全然更新されてないからどうしたのかと・・・っ

お仕事のほうはどうにかなったのかな・・・またメールでもください(>_<)
まだ今日はGWでお休みしてるでしょうけど、ゆっくりと疲れを取ってね^^;

うちの佐助と幸村は相変わらずです(苦笑)
かっこいい幸村も探せばどこかにいるはずなんですけどね・・・今はいませんね・・・
器用貧乏も極まれりな佐助になってますが、多分佐助ってずっとこう(笑)

コメントありがとうです~vv
  • posted by 老師 
  • URL 
  • 2008.05/06 09:28分 
  • [Edit]
  • [Res]

ひさびさにお邪魔します^^ 

SS読みました~♪
佐助 泣ける(笑)幸村ってどんだけ~(以下略)
でも この関係が好きな私です。
 
佐助に叱られそうだけど
「ホント忍びにしておくにはもったいない」(笑)
幸村って幸せものだ と再認識しちゃいました♪
  • posted by せん。 
  • URL 
  • 2008.05/06 03:29分 
  • [Edit]
  • [Res]

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