硯 箱 の 筆

筆の進むままに

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今頃だけど!

ホワイトデーは私の中で終わってなかったので(苦笑)

三月に間に合うように書き始めて、まったく間に合わなかったので。
今頃。
うん、自己満足です。
話も、ちょっとこのところのやつとカブり気味なんですが(・・・)書き始めたのがそれよりも前だったということで、ぬるくスルーしてください・・・。

正直なところ、日記で読ませる長さではないと思うのですが、これのためにカテゴリ増やすのいやなので(ここで書けばそれはログ・・・)根気のある方よろしく頑張ってください。
月が替わればログに上げるので、そちらで読んでも大丈夫ですよ!


さてさて。
ただいま家族内で「化石掘り」にはまっております。
DSのあれ。

主人など気が狂う勢いでやっております。
簡単に説明すると、化石を掘って恐竜をGETしてバトルさせる、ポケモンみたいなゲームです。
延々と延々と化石を掘って、クリーニングという作業をして、恐竜を復活させて。
どうも恐竜はオリジナルみたいなので名前が全然覚えられません。
一種類一匹しか持てないのですが。
でもレベルアップしたり属性もあったりするので、一匹に掛かる手間はけっこう多いです。
何種類いるのか見当もつきません・・・

ストーリーもちゃんとあるので、掘っている合間にそれもクリアしていかないとダメなんですが、掘ってクリーニングが楽しいときにジャマするなよーって感じ・・・
化石は交換も出来るようなのですが、今は一方的に主人が子供にあげてる状態。
GW中はきっとこれ一色なんだろうな・・・

今晩はみおかさんと遊んでもらう予定ー♪
杉さんどうかな・・・忙しいかな。
夜にリアルに電話で確認しよう(笑)

今から破廉恥モードをあげて臨みます・・・っ
寝かせないよ君達・・・っ!vv

でわ!

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 ■ うれしそうな笑顔の君に ■


信玄の帰宅が遅いことが決定して、佐助に臨時バイトが入った十四日。
晩御飯はハヤシライス、山盛りレタスでサラダ、かぼちゃでポタージュを作って、と学校帰りに買い物を済ませ、そのまま武田家のキッチンにこもった佐助を、じーっと睨むように幸村が見つめる。

(・・・俺様、何かしたっけなぁ・・・)
とはいえ、幸村がこのように佐助を睨むのは今が初めてではなく、どうもこの二、三日の間の彼の視線は常にこの睨むような、あるいは思案するような物だった。

まったく身に覚えがない、と言い切れるほどそれは唐突だったので、正直佐助には何が理由でこんな視線を向けられるのかわからない。
問いただしても、じーっと物思うような視線だけは合わせてはくれるが、あの幸村にしてまともな返事が返ってこない始末だ。

それでも食事の支度を済ませ、テーブルに皿が並ぶころには普段と変わらぬご機嫌で、いつものように早く座れと視線で促される。

「いただきます!」
「はい、どーぞ」

手を合わせて食べ始めると、それがいつもとまったく同じ態度なのに、食事中にその視線の意味を追求することは諦めた。

しかしデザート代わりに出したクッキーを見て、また幸村の態度が硬化する。
皿の上のクッキー。
それは今日のホワイトデーに佐助がバレンタインのお返しで焼いたクッキーだ。

幸村はバレンタインチョコを受け取らないが、佐助は遠慮なしに貰う。
貰うといっても義理の気安いものばかり、幸村のような固い貞操観念のようなものは持ち合わせてもいないのだから、断る理由もない。
もちろん、本気の告白付きは丁重にお断りしている。
理由は・・・悲しいかな、目の前の同い年の幼馴染のせいだ。
自分でもはっきりと確信が持てている感情ではないけれど、無視できるほど小さい感情ではないそれに、名前をつけて心に仕舞ったのは何年前だったか。

そして貰った義理チョコは(佐助の場合、チョコでないこともしばしばだが)ほぼすべてこの目の前の彼の腹の中に納まっている。
佐助は甘い物を食べないし、それを知って渡してくる輩は、幸村が食べるだろうということを前提で渡してくるからだ。
その中に間接的に幸村への恋心を添える者もいるだろう事は承知だが、そういうアイドルへの恋慕のような可愛らしいものまで排除するほど佐助とて鬼ではない。
それへのお返しは確かに面倒だが、渡すだけで満足、という気持ちへの労いと処世術だと思えば、苦ではないのだ。

「・・・佐助が作ったのか?」
「そ。今日配るためのを焼く時に旦那の分もいっしょに作ったんだよ」

色とりどり、見目良く丸籠に盛られた多種大量のクッキーは型で抜くのが面倒くさいという理由で、アイスボックスと絞り出し、ドロップクッキーの三種類だ。
しかし幸村の分にはチョコチップやドライフルーツといったものが練りこまれ、ジャムを乗せて焼いたものもあったりと、その手の込みようは義理へのお返しには見られない現象である。
もちろんこれは渡す相手への気持ちの差でしかない。

「・・・・・・」
「・・・食べないの? クッキー嫌いだったっけ?」
「いや・・・食べるでござる」

伸びる手の動作が鈍い。
珍しい、とそれを眺めながら思い、もしかするとこのところの視線の意味はこの辺が理由なのかと思いつく。
・・・それが自分にとってプラスなのかマイナスなのかは判然としないけども。

(・・・・・・焼きもちだったら嬉しいなー・・・ありえないだろうけど)
一人突っ込みは虚しいけれど、幸村相手に甘いことを考えていては泣きを見る。
彼の思考回路は人と違うところにあるのがしばしばだ。
現に一月前、佐助が貰ってきたチョコや菓子を嬉々として食べていた。
(そしてもらってきた者の礼儀だとか何とか言って、そのすべてを一口ずつ佐助の口に押し込んだ)

「・・・うまいでござる」
「・・・ありがと・・・なんか、飲む?」

一応ウーロン茶は出してあるのだが、クッキーには合わないだろう。
いつもならば出てくるデザートを見るなりコーヒーか紅茶かココアかと言うものが、今日は何も言わないので、やはりこれも様子がおかしいと言わざるをえない。

「ココア、作ろっか?」
「ああ・・・いや、その、だな」

煮え切らない。
もうこれははっきり聞いて問いただして、何がしかの反応を引き出さねば先に進めないようだ。

「あの、旦那」
「・・・佐助」
「・・・はい?」
「話があるでござる」
「・・・はぁ」

ようように切り出した佐助の声を遮って、唐突に幸村が唸る。
手に持ったクッキーをとりあえず咀嚼し、テーブルに置かれたウーロン茶を飲み干して。
そして勢いよく立ち上がると、佐助の腕を取り、引きずるようにしてリビングのソファに座らせ、逃がしはしないと言わんばかりに、膝に乗り上げ抱きついた。

「・・・あの~」
「なんでござるか?」
「話って、この姿勢でないとダメなもん?」
「・・・某がこの姿勢が好きなだけでござる」

この家のソファは家主の信玄の体が大きいために、細身の二人が重なって座っても落ちることはないキングサイズだ。
それゆえか、我侭を通すときの幸村は佐助を座らせ、自分がその上に跨って説得(というか脅迫)する。
そうでないときもソファに座った佐助の足元に座り、その膝に腕をかけたり、頭を凭せ掛けたりして枕代わりにしていることが多い。

「・・・重いでござるか?」
「や、重かぁないけど。顔見えないと話も出来ないんじゃないかと思っただけ」

乗り上げ座る幸村の顔───正しくは頭───は佐助の肩に凭れるように預けられていて、見えるのは癖の強い明るめの茶の髪と、ぴょこりと髪の間から覗く耳、背に流れる髪だけである。
乗られたところでさして重い体でもなく、むしろこの寒い季節にはぜひ引っ付いていてほしい熱を保つ体であるから、佐助としてはまったく困らない。
むしろ、入浴前でまだ髪紐で括られたままのその髪を梳いて手遊びをし、幸村の次の言葉を待つ程には余裕がある。

「某は佐助にこうやって凭れるのが好きなのだ」
「うん」

腰に緩くまわされていた腕の力が強まり、離れるつもりはないと訴える。

「こうやって座っていると、心臓がコトコト鳴っているのも聞こえるし、その振動もわかるし、それがとても気持ちいいのでござる」
「うん」
「・・・佐助に髪をいじられるのも気持ちいいし」
「ああ。ごめん、無断で」
「気持ちいいから、それはまったくいいのだ。───ただ、」
「? ただ?」
「・・・今は何時でござろう?」
「・・・そろそろ九時かな・・・」
「うむ。まだ十四日でござるな。佐助、お返しは何がいい?」
「・・・・・・はい?」

話が飛んでない?という質問はあえてしなかった。
多分幸村の中では繋がっているのだ───確信はないけど。

「お返しってなんの?」
「バレンタインでござる」
「俺様、別にお返しとか貰う気はないんだけど」
「しかし、慶次殿やチカ殿が佐助には返さねばならぬと言っておった」
「何それ。別にこれは貰ったから返さなきゃいけないっていうもんじゃないよ?」
「しかし佐助は女子に毎年クッキーを返しているではないか」
「これは・・・まあ、俺様の主義というか。趣味で作ってるようなもんだから、特別意味なんてないし」
「それでも、毎年、ちゃんと返しているでござる」

なんだろう、これは。
どこか憮然とした、拗ねたような口調。腰に回された強い腕。
佐助の希望的観測な心情としては『やきもち』だと思えないこともないが、そこで絡んでくるのがいるとなると、またそれは違う方向を向く。

(何か余計なこと言われたかな)

愛と恋と義理人情で動くきらいのある二人からの言葉だから、幸村の『破廉恥』アンテナに引っかかって返り討ちにあっている可能性はあるが、明日・・・いや、月曜日は覚えておけよと思い浮かんだ顔にバツを付ける。

別に本当に幸村からお返しがほしいなどと思わない。
元々バレンタインに佐助がチョコを渡し始めた理由も色恋ではなかったし、その後続いているのはある意味義務だ。
その義務に違う理由が付いたのを幸村が知るはずもなく、知られても困るというところだから、お返しが発生することもない。

「お返ししてくれなくても、来年もチョコは作るけど?」
「・・・そのようなことを言っているわけではないでござる」

少し声に険がこもる。先ほどからの遣り取りもあって、更に気分を害したのは間違いない。
本当に手が掛かる人だよなぁ、と宥めるように背中を叩いていれば、肩口に額を押し当ててぐりぐりと擦り付けられた。

「眠いんだったら、風呂に入って寝れば?」
「佐助があやすから眠くなるのだ! 話さねばならないことがあるから、寝てはおれぬ!」
「んじゃ、お話、どうぞ?」
「う・・・だから、お返しは何がいいと・・・」
「それは別にいいってば」
「そうはいかぬ!」

随分頑固だと溜息を付くが、どうも意地になっているだけのようで。
何か適当な物を言えばそれで済むかもしれないが、それでこの頑固者が納得するかどうかは五分といったところか。

「旦那さぁ、一体何言われたの?」
「・・・え?」
「俺がチョコあげるのって、別に今回が初めてじゃないし、今までお返しの話なんて出たことないっしょ? あの二人に何言われたの?」

まったく余計な入れ知恵をされたのだとしか思えない。
幸村は生来、生真面目な性格だ。
言われたことを鵜呑みにして信じてしまう傾向も強いし、ありえなさ過ぎることでも疑うことをしない。
さらにこの馬鹿が付く正直者は、変に行動力があるものだから、その尻拭いに佐助が奔走することもしばしばだ。

「・・・お返しをせねばいかんということを言われたでござる」
「もっと具体的に」
「・・・長年、佐助から貰ってばかりで、一度も返したことがないのはおかしいと言われて・・・言われて初めて気付いたのも情けのない話だが、その・・・佐助はマシュマロも食べぬし。ならば何か他の物をとも考えたが、何を返せばいいのか、まったく思いつかなくて・・・」

そこまで言って、止まる。
そして幸村の体が目に見えて熱を上げていくのを感じる。
その証拠に髪から覗く耳が赤く染まっていて、この調子だと顔も真っ赤に違いないと確信させる。

「・・・なんか破廉恥なこと、言われたの?」
「は・・・っ はは破廉恥ではござったが、筋は通っていると・・・思うでござる」
「それ、騙されてない?」
「慶次殿たちにこのようなことで騙される謂れはないでござる」
「あっそ。じゃあ続き。・・・なんて言われたの?」
「そっ・・・それは・・・!」

くどいほどの佐助の問いに幸村は何も言えずに黙った。
多分照れはMAX状態だろう。
ぎゅうと佐助に縋る腕に力がこもり、耳は火を噴きそうなほど赤くなり、頭から湯気が出そうなぐらいになっている。
しかし実のところ幸村にはこの問いに答えなければならない義務はなく、佐助もどこまで答えてくれるのかという事に疑念を持ちつつの問いである。
───正直者(単純思考)の幸村だから、この状況がおかしいことに気付きもせず全部答えるのだろうけど。

(この状況で破廉恥・・・何かなぁ。お返しのメニューだろうけど、あいつらのことだからエロ本とか言いそう)
もしそう言われたのであれば、幸村には買いに行けないだろうなぁとぼんやり思う。
普段から本も積極的に読むほうではなく(置いてあればなんでも読むが)本屋に隠されるように置いてある種類の本を探し出すなど出来ないだろうし、表紙を見ただけで飛んで逃げそうだ。

「お・・・」
「お?」
「お返しは・・・三倍返しだと」
「ああ、言うねぇ」
「七年分だから、二十一倍だ」
(二十一倍?ああ、掛けたのか・・・ありえねぇ)

さすがに馬鹿馬鹿しいと音にすることは出来なくて黙り込むが、何をどうでも二十一倍はいきすぎだろう。
一体何を言われたのか、皆目見当も付かないと諦めかけたところで、幸村が顔を上げて視線を合わせる。

「佐助のことだから、何もいらないと言うだろうとチカ殿に言われた」
「うん」
「欲しい物を聞いても、佐助には物欲がないから、きっと無いと言うだろうとも言われた」
「・・・物欲ぐらいありますって」
「何!? あるのか!? では申せ!!」
「や、欲しい物は自分で買うから」
「・・・そう言うだろうとも言われた・・・」
「おー、よくわかってんな、あいつら」
「だから」
「だから?」
「慶次殿が」
「慶次が?」
「・・・佐助でも受け取りそうな物で、邪魔にもならず、且つ想いを伝える術は、古来より一つしかない、それはキ───」
「あ、ごめん、わかった。もういい、言わなくていい」

あのやろ~~~~~!
頭の中でいつも笑顔でいる悪友の顔を思い浮かべ、それを迷わず足蹴にする。
同時に続きを言おうとする幸村の口を手で塞ぎ、その頭を抱えることで、せっかく合わさったばかりの視線も切る。
ああもう、またしても馬鹿なことを吹き込まれてきたものだ。
それを鵜呑みにする幸村も大概だが、この始末をどうすればいいのか。

「・・・わかるのか?」
「わかるよ。慶次の言いそうなこった」
「そ、そうでござるか・・・」
「うん、そうなんだよ」

蚊の泣くような声でぼそぼそとらしくなく綴る言葉が、幸村の心情を伝えてくる。
動揺したんだろうなぁ、とこの数日の様子を思い返しながら、口を塞ぎ頭を抱え込んでいた手を緩く背に這わせてあやす。
どのような気持ちだったのかはわからないが、その葛藤のありようは手に取るように推し量れた。

「・・・」
「・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・・・・で、だな。佐助」
「あ?」
「そ、その、お返しはそれでよいか?」
「──────はい?」
「だから! お返しはキ、キキキキキッスでいいのかと聞いておるのだ!」
「─────────!?」

驚きで声も出ないとはまさにこのことだ。
まさか自分の人生でその瞬間を味わう日が来るとは思ってもみなかったが、相手が幸村だったら仕様がないかと心のどこかで納得している。
やーもうホント驚かしてくれるよねぇと、どこまでも子供のままに無邪気に育ってしまった幼馴染の言動に、つい苦笑が漏れた。

「なぜ笑う」
「ん? や、なんつーか・・・感動したって言うか」

キスの意味を知らないほどには子供だと思ってはいないが、ホワイトデーのお返しにキスをしようという程度には子供だ。
たとえそれが悪友達の入れ知恵だとしても、疑問にすら思わずそれでいいかと当の本人に聞いてくる。
子供の純粋さと残酷さだよな、と自分の顔が歪むのは仕方のない事のように思えた。

「佐助。嫌なら嫌、いいならいいとい言って貰わぬと某にはわからぬでござる」
「そう? ───じゃあ旦那は俺がしてって言えばしてくれるんだ?」
「むろん、二言はござらんよ。某の頭では、佐助の欲しいものなどわからぬし、チカ殿も慶次殿もそれが一番佐助が喜ぶと言っておられたし」

そこまで言って、佐助の肩に押し付けてられていた幸村の顔が上がる。
まだ顔は赤いままだったが、まっすぐに佐助と合わせた視線にはどこか固い意思のようなものが見えた。

「某は、佐助が一番喜ぶものをあげたいのだ。チョコに限らず、ずっと貰ってばかりで何も返せなかったが、その、キ、キキキスであれば、それで佐助がいいと言ってくれるなら、何度でも、いくらでも返せるし、いや、本当ならば何かもっと役に立てるよう努力すればよいのだろうが、どうにも不器用ゆえ労働力としては役に立たんし、この身一つでなせることなど高が知れてるし、それでも佐助がそれで良いというならば某の体の一つや二つ好きにしてくれて構わんのだが、それでは何の解決にもならぬから───」
「ちょ・・・こら、待てって。一気にしゃべんないで」
しかもすごい内容のことを。そう思わず突っ込みを入れたくなる内容だった。

「え? なに? 結局旦那はどうしたいわけ?」
「バレンタインのお返しをしたいのだ」
「だよな? で、それがどうしてその・・・キス、とかいう話になったの?」
「慶次殿が」
「・・・ああ、そうだったっけ・・・えーと、それで旦那はそれでいいわけですか?」
「良いも何も、他に何も思いつかぬ」
それとも何か他のものがよいか?よいなら疾く言え。

ことりと首を傾げて答えるその内容に、できればまず、キスがおかしいのだということを理解してもらいたい。
いや、確かにそれは嬉しくない訳ではない。
ただ、先の幸村の告白の内容をよくよく考えてみれば、キスというものが幸村の中で、どういう位置に収まっているのか謎なばかりである。

「・・・旦那さ、キスって何か知ってる?」
「それぐらい・・・知ってるでござる」
「だよね、うん。知ってて、それでもするの?」
「唇同士を合わせるぐらい、命が取られるわけでなし、何を恐れる必要があろうか!」
「命って・・・あのさぁ・・・」

まあこんなものか。
幸村の中でのキスの位置は、「破廉恥ではあるが、唇を合わせるだけのこと、命が取られるわけではない」という認識だ。
(あっりえねぇ~~~)
確かに国によってはたかが挨拶の一つには違いないが、この国では好きあってる者同士が睦みあう手段に行う行為だ。
まあ事故やフライングがないわけではないが、少なくとも挨拶やお礼でされるものではない。
そしてできれば佐助とて、お礼なんかでされるよりは好きだからという理由でしたい行為である。

「佐助?」
「・・・はいよー」

ぐったり疲れきってソファの背に仰向けるように凭れれば、心配げな声で幸村の声が呼ぶ。
返事だけはしてそのままでいれば、つんつんと指の一本が顎を突付き、もう片方の手は髪を小さく引っ張って。

「怒ったのか?」
「怒ってないよ。てか、理由がないでしょ」

疲れただけ、とは、思っても言わない。
しかし。

「ならば、してもよいか?」
「・・・・・・・・・・・・」

それに、どう返事をすればいいのだろうか。

したくないわけじゃない、むしろ歓迎したっていいことだが、この気持ちの差を抱えてはしたくない。
かといってこの差がいつか埋まるのかと言われたら、きっと、一生掛かったって埋まりはしないだろう。
それだったら、棚ぼたと思って唇ぐらい貰ったってバチは当たらないんじゃなかろうか。
───当たらない、だろうけど。

(ファーストキス、だよなぁ、きっと)

自分はもう済ませてあるから別に関係ない。
けども、いくら幸村が女ではないといっても、この自分にして最初の相手は覚えているのだ。
『責任を取って結婚する!』とか言い出しそうで(相手の性別など気にせずに!)、でもそれに便乗したって自分はちっとも困らない。
のだ。
けど。

「・・・ごめん、ちょっと考えさせて」
「何故だ!?」
「色々事情ってもんと、覚悟がいるの」
「・・・覚悟?」
「そう」

視線を合わせれば、柔らかそうな唇がいやでも視界に入って心臓に悪い。

例えば。
例えば、幸村に口付けられたとして、自分がそのまま彼を押し倒さない自信があるかと言われれば、皆無だ。
思う相手だ(それも長く)
肉の欲も自分は知っている(口が裂けても言えないが)

腕に温かく心地よく収まる体に、本気であろうが戯れであろうが、仕掛けられて我慢できるほど人間ができてるわけではないから。

「そのうち何か欲しい物が出来たら、ちゃんと旦那に報告するから」
「・・・覚悟をするのではなく?」
「・・・覚悟が出来たらその時も報告するよ・・・」

一生来ないだろうけど。

「・・・お前はけっこう面倒くさいのだな」
「いや~、旦那ほどじゃあないと思うよ」

どういう意味だそれは、と言いながらそれでもまた肩に甘えるその人を。

(旦那って本当、・・・困るよね)

愛しい恋しいと訴える自分の心を無視すれば欲ばかりが込み上げてきて、確かに本当に面倒くさいのは自分だと、苦く笑って強く抱きしめた。




幸村の言葉が足りないような感じですが、一生懸命佐助が好きだよーと言ってます・・・よね?
全然佐助には伝わってないですが。
本命へのお返しはマシュマロであってたっけかな?
佐助→←幸村 も行き過ぎて情けない二人。

元親「だから、お返しお返しってばかりじゃなく、返事をしろ、返事を」
慶次「チューする前に好きって言わなきゃねぇ」
幸村「・・・佐助は某に何も言ってないのに、何を返事すればいいのか・・・」
元親「あんだけ色々面倒見てるんだから、気持ちも垂れ流しだろうが」
慶次「でも言葉も欲しいよねぇ」
元親「いらねえいらねえ。態度でモロばれだっつーの!」
幸村「佐助は昔からああであったから・・・違うやも知れぬでござる・・・」
慶次「昔からあんなに世話焼きで幸村好き好きーだったの?」
元親「なんだその『幸村好き好きー』ってよ」
慶次「佐助たんの態度ってか、行動? 体全部で好きって言ってるしょ? いいねぇ、恋だよね!」
幸村「もう某はどうすればいいのかわからないでござる・・・」

休み明け学校の片隅での会話。相談相手に政宗がいないのはジャマされるから。
あ、幸村ってちゃんと佐助のこと好きじゃないか!

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